2009 Fiscal Year Annual Research Report
原子力災害対策や国民保護対策による県域間避難の効率的実施方策に関する研究
Project/Area Number |
20710126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
梅本 通孝 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (10451684)
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Keywords | 減災 / 住民避難 / 原子力災害 / 国民保護 |
Research Abstract |
本研究は,原子力災害対策や国民保護対策による県域を越える長距離の住民避難の効率的実施方策を検討するために,各地における現行の原子力防災計画並びに国民保護計画の課題抽出と代替案の検討,及び,県域間避難シミュレータの開発と解析を行うものである。平成21年度における実施内容は次の通りである。 現行計画の課題抽出に関しては,県域避難に関する現行計画の把握として,県域を越えた避難計画や実施体制に関する基礎資料の収集を引き続き行ったほか,茨城県の原子力災害対策,及び,国民保護対策の担当者に対するヒアリングを実施し現行計画の実態と課題の把握を図った。避難手段別需要分担の推計に向けては,福島県,新潟県,福井県,静岡県の在住者を対象として県域間避難を想定した場合の行動意向についてアンケート調査を実施した。避難輸送能力の推計に関しては,全国都道府県の国民保護対策担当部署に対して県域間避難に関する準備・検討状況についてアンケート調査を実施した。これらの結果は,次年度実施予定の避難手段別の避難需要と供給可能な輸送能力の推計,及び,県域間避難の需給バランスの検討の資料となる。 県域間避難シミュレータの開発に関しては,県域を越える規模の住民の避難状況を模擬するためのシミュレーションモデルの概念設計の改良を行いつつ,プログラムの作成を引き続き進めた。同シミュレータについては次年度も開発を継続するとともに,これを用いて県域間避難に関する現行計画と代替案の評価を試みる。 なお,本年度の研究成果については平成22年度中に雑誌論文や学会などに発表を行う予定である。
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