2008 Fiscal Year Annual Research Report
ピエゾフィルムを用いた接着構造物の破壊予測モニタリングに関する基礎的研究
Project/Area Number |
20710131
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
志村 穣 Tokyo National College of Technology, 機械工学科, 助教 (70390424)
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Keywords | ピエゾフィルム / 接着構造物 / ひずみモニタリング |
Research Abstract |
本研究では、ひずみゲージに替わるセンサとして圧電高分子材料(ピエゾフィルム)を利用し、接着接合体のひずみ測定およびモニタリング方法の構築を試みた。今年度は第一段階として、接着接合部付近にピエゾフィルムを貼り付け、市販のひずみゲージと比較しながら、ひずみ測定の可能性を検証した。これまでに得られた知見を以下に示す。 (1) ピエゾフィルムの出力電圧とひずみゲージによるひずみ値との間には良好な線形性が見られ、この特性を用いることでピエゾフィルムによる出力電圧からひずみ値の換算が可能であることがわかった。 (2) ピエゾフィルムの出力電圧の大小は、その面積に依存する傾向がある。本研究の第二段階において、非常に小さな領域である接着層にピエゾフィルムを貼り付けることを鑑みると、この結果は好ましいものではない。しかしながらこの点については、補正係数などを用いることで対処できると考えている。 (3) ピエゾフィルムの貼り付け方法として、エポキシ系接着剤と導電性接着剤の二種類を試したところ、エポキシ系接着剤の場合では、ひずみゲージで測定したひずみ分布に対して追従性がなく、ひずみ値にばらつきが見られた。一方、導電性接着剤を用いた場合では、ひずみゲージによる場合に対して、ひずみ分布の傾向が一致し、測定値のばらつきも小さくなることがわかった。このことから、導電性接着剤によるピエゾフィルムの貼り付けは測定精度の向上を期待できる。
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Research Products
(2 results)