2009 Fiscal Year Annual Research Report
ピエゾフィルムを用いた接着構造物の破壊予測モニタリングに関する基礎的研究
Project/Area Number |
20710131
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
志村 穣 Tokyo National College of Technology, 機械工学科, 助教 (70390424)
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Keywords | ピエゾフィルム / ひずみ測定 / 接着接合 |
Research Abstract |
本提案研究はピエゾフィルムを用いて、構造物の安全性保持のためのひずみモニタリング技術を開発することが目標である。本研究の大きな特徴として、ピエゾフィルムをセンサとして利用し、これを接着構造物に適用するところにある。圧電材料は自己発生電圧が高く、電源および増幅アンプを必要としない。そのため、安価で手軽なセンサとして多箇所に取り付け、安全性確保のための破壊予測モニタリングが可能になると考えられる。 具体的方法として、突き合わせ接着継手試験片を製作し、これに周期的な荷重を作用させ、接着接合部付近のひずみ分布をひずみゲージで測定するとともに、貼付された両面電極付PVDFフィルムの出力電圧を測定する。その後、定式化されたPVDFフィルムのひずみ解析式より、出力電圧からひずみに換算し、ふたつの手法によるひずみ分布を比較することで、本手法の接合問題への適用可能性を検証する。くわえて、PVDFフィルム貼付用の接着剤としてエポキシ系接着剤と導電性接着剤を取り上げ、測定精度に及ぼす影響を調べた。その結果、応力勾配を有する接着接合界面近傍において、本手法による定性的なひずみ分布測定の可能性を確認した。また、PVDFフィルムの貼り付けに導電性接着剤を用いることで測定精度が向上することがわかった。 現段階では、接着層近傍における被着体のひずみ測定に留まっているが、最終的にはPVDFフィルムの特性を活かし、そのサイズを可能な限り小さくすることで接着層内部のひずみ測定を実現できると考えられる。そのための方策として、アクリル系接着剤を用いて固形アクリル樹脂を被着体に接合することにより、ある程度の厚さをもつ擬似接着層を設定し、これを徐々に薄くしていくことで実用接着層厚さレベルでのひずみ測定に対応させたいと考えている。
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Research Products
(2 results)