2008 Fiscal Year Annual Research Report
活断層モデルに基づく大地震連鎖可能性評価手法の開発と適用
Project/Area Number |
20710136
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長 郁夫 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 地質情報研修部門, 研究員 (10328560)
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Keywords | 活断層 / 内陸地震 / 長期評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 活断層で発生する内陸地震の発生予測による地震災害の軽減のために, 活断層モデルに基づく数値シミュレーションにより内陸地震の連鎖の可能性を評価するための方法を開発し, 2007年新潟県中越沖地震の周辺に分布する活断層に適用することである. この目的のもとに, 平成20年度は以下の作業を実施した. 探査資料の収集, 学術文献のレビューと断層モデルの構築2007年新潟県中越沖地震周辺に分布する活断層を選び出し構造地質学的環境をレビューした. 新潟県の分布する活断層のジオメトリを, 同地域で発生した微小地震の震源分布に関する研究報告等を参考にしながら, 大枠で同定した. 断層面沿いの摩擦パラメータの分布を検討の上, 現実的な活断層モデルを構築した. シミュレータの開発と感度解析断層内部の相互作用を考慮して2次元問題として地震発生過程をシミュレートするための基礎プログラムに, 近傍の地震がもたらす応力変化の影響を考慮して地震の連鎖をシミュレートするためのルーチンを同プログラムに付加した上, パラメータを変えながらシミュレーションを繰る返す処理で計算時間を短縮できるように最適化した. 次に, 高速計算機およびデータバックアップ用の大容量ディスクを導入し, パラメータを変えながら多数の計算を繰り返す基礎解析(感度解析)を実施した. 現有設備として計算機を有するが, 感度解析やモンテカルロ・シミュレーションのような膨大な量の繰り返し計算を実施するには計算速度に問題があった. そこで近年性能が強化されたLinuxベースの高速PCクラスターを導入し, これに対処した.
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