2010 Fiscal Year Annual Research Report
ライフラインの地震時物理的被害に対する相互依存モデリングとその創発的運用策の考案
Project/Area Number |
20710140
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄司 学 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60282836)
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Keywords | ライフライン防災 / ネットワークシステム / システム信頼性 / 減災 / 地震 |
Research Abstract |
本研究では,首都直下地震を想定して,首都圏に敷設・分布する道路・鉄道の交通インフラ,電力・都市ガスのエネルギー供給系システム,上・下水道の水処理系システム,並びに電信電話・インターネットの通信系システム等のライフラインを具体的に対象として取り上げ,これらの物理的連結性をノードとリンクにより構成されるネットワークでデジタルモデリングした上で,地震時の物理的被害とそれより波及するシステム機能への影響をネットワーク形態で数理的に表現し,全体ネットワークシステムの地震時脆弱性の定量的な評価手法を開発した. このような枠組みの中で平成22年度においては,1)全体ネットワークシステムの相互連関を考慮した地震時脆弱性の評価手法を一般化し,2)システム機能への影響を最小化するネットワーク形態のプロトタイプを考案することで,3)事前対策に資する提案手法の創発的な運用策を提案した. 具体的には,強い地震ハザードに晒されているノードを全体ネットワークシステムの中から定められたアルゴリズムに基づき除去し,それに応じてネットワークパラメータの変動を算定した上で,それらを組み合わせた評価指標を用いて対象ネットワークの地震時脆弱性評価を行うものとした.このような評価の枠組みに基づき,数値実験をモンテカルロ的に繰り返し多数回試行し,地震ハザードとノード・リンクの構造信頼性の組み合わせをInput,脆弱性評価指標をOutputとしたI-O関係の一般的なモデルを構築した.このような過程をへて,全体ネットワークシステムの相互連関(電力,水処理及び道路交通インフラ)を考慮した上で,システム機能への影響を最小化するための電力,ガス,水処理系のネットワーク形態を明らかにし,それらを現行のネットワーク形態と比較することで事前対策の具体策を提案した.
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Research Products
(2 results)