2009 Fiscal Year Annual Research Report
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20710142
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Research Institution | Fuji Tokoha University |
Principal Investigator |
木村 玲欧 Fuji Tokoha University, 大学院・環境防災研究科, 准教授 (00362301)
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Keywords | 自然災害 / 災害時の心理・行動 / 生活再建過程 / 災害教訓 / 社会調査 / 質問紙調査 / インタビュー調査 / 評価尺度 |
Research Abstract |
本研究は、未だ体系的に解明されていない「被災者の長期的な生活再建過程とその測定尺度」について、これまでの自然災害における種々の社会調査事例や被災者インタビューを収集・整理しながら「被災者自身の立場から評価した主観的な生活再建過程」を明らかにし、それらを検証することで「被災者の総合的な生活再建指標」を開発する。これにより行政の事前の防災計画や事後の災害対応・復興施策といった行政の災害対応能力の向上を図ると同時に、地域住民にとっての地域被害イメージの醸成や自主的な地域防災対策の推進させていき、自助・共助・公助の対応能力を向上させることが最終日標である。 本年度は、前年度までの研究の検証を行いながら、(1)被災者心理・行動ならびに生活再建の評価尺度を整理して、被災者の生活再建を評価するための尺度一覧を作成する、(2)現在進行している災害被災者に対して(1)で作成された尺度を用いて質問紙・インタビュー調査を行う、という2点に重点を置いた研究を行った。具体的には、1995年阪神・淡路大震災において実施された社会調査を再分析しながら、被災者心理・行動ならびに生活再建の評価尺度を整理し、整理された評価尺度をもとに、2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震の被災者を対象とした社会調査を実施することで、災害後の被災者心理・行動および生活再建過程を明らかにした。特に、被災から1年半後の中越沖地震の復旧・復興状況と4年半後の中越地震の復旧・復興状況を明らかにした上で、中越沖地震の復旧・復興のスピードの速さについて議論を行った。更に、2004年スマトラ沖地震における被災地バンダアチェでの社会調査結果を、1995年阪神・淡路大震災での社会調査結果と比較して国際的な復旧・復興過程の比較を行った。
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