2010 Fiscal Year Annual Research Report
気象データを用いた波浪・高潮推算とバーチャルブイによるリアルタイム予測情報の提供
Project/Area Number |
20710143
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 誠宏 京都大学, 防災研究所, 助教 (60378916)
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Keywords | 防災 / 海上安全 / 自然現象観測・予測 / 高潮 / リアルタイム予測 |
Research Abstract |
平成17年7月より気象庁から新しく提供されている毎時大気解析GPVデータ(Hourly Analysis GPV)の利用をシステムに組み込んだ。HAGPVデータを用いてリアルタイム波浪・高潮推算を以下のような手順で行った。まず、6時間毎に得られるGFSデータで外領域の波浪・高潮推算をし、領域ネスティングしたデータを対象地点周辺の狭領域計算の境界条件とした。狭領域の計算をする際の、気圧および風速場には1時間毎のHAGPVデータを用いた。毎時の解析データを利用することで強風域や収束域の変化・移動を把握することができ、短時間での気象現象の急激な変化をほぼリアルタイムで予測することが可能になった。さらに、計算結果をリアルタイムバーチャルブイ(RTVB)システムで表示するようにした。バーチャルブイの考え方は、例えば、ある海域の地図があり、必要な地点の情報を知りたいとした場合に、そこには仮想のブイがあり、そのブイのデータを見るといったイメージの表示方法である。任意地点における、風速、風向、波高、波向き、潮位についての時系列グラフとともに、数値そのものを表形式で見られるようにした。リアルタイム波浪予測の精度に関しては、これまでに冬季の予測値と観測値の比較を通して予測精度が良いことを確認したが、さらに、気象場の変化が激しい台風シーズンを対象として、リアルタイム波浪予測システムの精度検証を行った。また、リアルタイム予測システムにより推算されるデータをもとに、洋上ウィンドファーム候補サイトにおける風および波の推算を行い、年間の出現確率特性を調べた。年間および夏季、冬季における波高の超過確率を求め、設計風速および設計波の基礎資料を提供した。
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