2010 Fiscal Year Annual Research Report
代謝ネットワークの再構築による天然化合物の設計原理の抽出
Project/Area Number |
20710156
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 通啓 京都大学, 先端技術グローバルリーダー養成ユニット, 准教授 (40396867)
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Keywords | 代謝工学 / ケモインフォマティクス / バイオインフォマティクス / 合成生物学 / 生合成 |
Research Abstract |
天然化合物の設計には、化合物構造に記録された設計情報を抽出し、代謝ネットワーク情報の再構築をもとにした体系的な設計フレームを構築する必要がある。このために本研究では、1)天然化合物の表現方法の開発、2)代謝ネットワーク情報の再構築、3)retrobiosynthesis解析アルゴリズムの開発、の各ステップについて検討を行った。以下に成果の概要を記す。 1)KEGGの代謝パスウェイおよび文献調査により、あらかじめ定義した1次代謝化合物由来のBuilding Block化合物で天然化合物表現を行った。これにより、天然化合物の構造とBuilding Block化合物の組合わせの相関を明らかにし、Building Blockの組合わせといった観点から、天然化合物の体系的解析が行い得ることを示した。 2)RPAIRデータベースと代謝パスウェイのREACTIONデータベースを用いて、Building Blockの構造変化情報を原子レベルでトレースし、各天然化合物中に存在するBuilding Blockの部分構造情報についてライブラリの構築を行った。得られたBuilding Blockの部分構造情報を用いて、代謝ネットワーク情報並びに天然化合物構造の再構築を行った結果、本研究で提案する体系的な化合物表現方法が、従来方法よりも生合成情報を反映していることが示された。 3)上記のライブラリを用いて、任意の天然化合物を生産しうる生合成パスウェイ(酵素反応・ゲノム)情報を出力するアルゴリズムの開発、すなわちretrobiosynthesis解析を行った。このために、ネットワーク解析、反応パターン解析、組合わせ最適化アルゴリズムの開発、酵素反応・ゲノム情報との関連解析といった各情報解析モジュールを開発し、これらの組合わせにより、任意の天然化合物に対して設計ルートの提案が可能であることを示した。
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Research Products
(2 results)