2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質Cー1027クロモフォアの合成とその生体高分子との相互作用の解明
Project/Area Number |
20710162
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 格 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (80318196)
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Keywords | 抗腫瘍性 / 抗生物質 / C-1027 / クロモフォア / 全合成 |
Research Abstract |
非常に強力な抗腫瘍活性を示す抗生物質であるC-1027クロモフォアは,活性本体であり9員環エンジインを中心に有する不安定なクロモフォアとそれを包接して安定化するキャリアータンパクの複合体であり,動的な活性発現機構やユニークなドラッグデリバリーシステムを発現している天然有機化合物として幅広い興味を集めている。本年度の計画であるクロモフォアの全合成達成に向けて検討を行い,以下の成果を得た。 昨年,ベンズオキサジン部を導入した上で不安定な9員環エンジインを構築可能な手法を開発し,アグリコン部保護体を合成している。その際に用いた安定鍵中間体に対しアミノ糖部の導入を試みた。実施計画に従い,モデル化合物に対するグリコシル化の条件を検討し,ここで確立した条件で反応を行ったところ,アグリコン側の3級アルコールを立体選択的にグリコシル化できることが明らかになった。 次に保護基の検討とエンジイン形成を行った。アミノ糖部を導入した中間体の保護基を吟味し,短寿命エンジインの存在下でも除去可能な保護基に逐次変換後エンジイン形成を試みた。反応は速やかに進行し,目的のクロモフォア保護体を合成,HPLCにより精製することが出来た。さらに一段階での全保護基の脱保護を行いC-1027クロモフォアの生成を質量分析にて確認した。
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Research Products
(3 results)