2008 Fiscal Year Annual Research Report
定量的リン酸化プロテオミクスによるシグナル伝達ネットワークの解析
Project/Area Number |
20710168
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 雅記 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 准教授 (60380531)
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Keywords | シグナル伝達 / プロテオミクス / リン酸化 / ネットワーク解析 / システム岸物学 |
Research Abstract |
細胞は与えられた増殖因子や分化誘導因子などの外的刺激に対して、様々な応答を示すことが知られているが、刺激に対応した特異性を決定する機構は未だ不明な点が多い。このシグナル伝達の本質的な問題を解くためには、様々なシグナル経路に関わる因子を網羅的に調べる必要がある。申請者は細胞内リン酸の網羅的同定および定量を行うための技術開発を行い、数千ヶ所のリン酸化部位の同定・定量を可能とするシステムを構築した。 1) 異なる細胞応答を引き起こすシグナル伝達系の比較解析 HeLa細胞を用いて、EGF, およびインシュリンによって活性化される細胞内リン酸化を時間軸を追って変動解析を行った。本解析によってそれぞれ10000ヵ所以上のリン酸化の刺激依存的な変化をとらえることが可能であった。刺激依存的に変化するリン酸化はEGFとインシュリンにおいて共通のものが多かったが、そのリン酸化の変化パターンが大きく異なった。また、一部のリン酸化に関しては刺激特異的なものも見出された。 2) キナーゼ機能阻害によるネットワーク撹乱効果の検証 MAPキナーゼ経路、およびmTOR経路を各々に特異的な阻害剤で細胞を処理し、血清刺激後のリン酸化状態を阻害剤非存在下の場合と比較した。その結果、100種類以上のErkの基質候補と、30種類以上のmTORの基質候補を同定した。
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[Journal Article] Large-scale proteomic analysis of tyrosine phosphorylation induced by TCR or BCR activation reveals new signaling pathways2009
Author(s)
Matsumoto, M, Oyamada, K., To kahashi, H., Sato, T., Hatakeya ma, S., Nakayama KI.
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Journal Title
Peer Reviewed
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