2008 Fiscal Year Annual Research Report
ムギネ酸誘導体を用いたイネ科植物の鉄認識メカニズムの解明
Project/Area Number |
20710173
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
難波 康祐 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 講師 (50414123)
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Keywords | ムギネ酸 / 標識ムギネ酸 / ムギネ酸・鉄錯体 / 鉄錯体トランスポーター / クリック反応 / 鉄認識メカニズム |
Research Abstract |
本研究課題ではイネ科植物の鉄認識メカニズムを解明するために、ムギネ酸・鉄錯体トランスポーターの3次元構造の解明を主な目的としており、平成20年度は種々の標識ムギネ酸類の合成法の確立を課題としていた。標識基を導入するにあたり、鉄との錯体形成能及びトランスポーター通過活性能を保持しなければならないため、構造活性相関研究を行い2'位水酸基に標識基導入の可能性があることをこれまでに明らかにしていた。そこで2'位水酸基に種々の官能基を導入する方法を検討した結果、2'位水酸基にアリル基及びプロパルジル基を導入した保護ムギネ酸の合成法を確立出来た。脱保護によって得られた2'位アリル化ムギネ酸の鉄錯体形成能及びトランスポーター通過活性能を測定した結果、アリル化ムギネ酸がムギネ酸類と同程度の鉄輸送活性を保持している事を明らかにした。これにより、ムギネ酸への標識基導入が可能な位置を始めて明らかにすることが出来た。しかしながら、アリル基を介した標識基の導入は非常に困難であった。そこで、プロパルジル基導入ムギネ酸と種々のアジド化標識化合物とのクリック反応を検討した結果、効率良くクリック反応が進行する条件を見出し、標識基導入ムギネ酸の合成に成功した。本法を用いることによって様々な標識基を効率良くムギネ酸に導入することが可能となり、これまでにUV標識体、光親和性ラベル体、蛍光標識体の合成に成功した。クリック反応によって導入したこれらの標識ムギネ酸は、全てトランスポーター通過活性能を保持していることが明らかとなり、ムギネ酸の初のプローブ化に成功した。次年度は計画に従い、合成した標識体を用いてトランスポーターとの結合実験及び組織内での挙動追跡などを行う予定である。また標識基と同様にして結晶性官能基を導入し、ムギネ酸・鉄錯体の立体構造解析も引き続き行う予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] A specific transporter for iron(III)-phytosiderophore complex involved iron acquisition by bareley roots2008
Author(s)
Murata, Y. ; Harada, E. ; Sugase, K. ; Namba, K. ; Horikawa, M. ; Ma, J.-F. ; Yamaji, N. ; Ueno, D. ; Nomoto, K. ; Iwashita, T. ; Kusumoto, S.
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Journal Title
Pure Appl Chem 80
Pages: 2689-2697
Peer Reviewed
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