2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂を制御するタンパク質複合体APC/サイクロソームの活性発現の分子機構
Project/Area Number |
20710178
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
庄司 志咲子 独立行政法人理化学研究所, システム研究チーム, 研究員 (60321808)
|
Keywords | 細胞分裂 / APC/サイクロソーム / ユビキチン化 / タンパク質立体構造 / タンパク質複合体 / Emi2 |
Research Abstract |
APC/サイクロソーム(APC/C,anaphase promoting complex/cyclosome)は細胞周期発振因子サイクリンをターゲットとする巨大な複合体型ユビキチンリガーゼであり、その活性化は細胞分裂を指令する重要ポイントである。本研究ではAPC/Cの機能制御タンパク質分子(以前に申請者が見出した、受精前のマウス卵を分裂期中期で停止させておく因子[cytostatic factor,(CSF)]であるEmi2等)を利用した解析を展開し、その活性制御機構を解明することを目指している。本年度は、APC/Cの阻害因子Emi2及びその相同因子(ファミリー分子)であるEmi1のコアドメインについて立体構造を溶液NMR(核磁気共鳴分光法)により解明した。さらに今回取得した構造情報をもとに、前年度までに構築したin vitroユビキチン化反応系および培養細胞でのタンパク質発現系を用いた解析を行い、これらのタンパク質立体構造と機能との関係について理解を深める結果を得た。ここまでの成果は現在国際学術誌へ投稿準備中である。また、今年度は本課題のユビキチン化反応系に関与するタンパク質複合体の大量精製系を構築することに成功し、活性を有する標品を得る事ができた。次いでこれを用いた結晶化スクリーニングを行った結果、結晶生成に有効な要素が明らかになったため、X線回折によるタンパク質結晶構造解析に向けた試料の最適化検討を開始した。
|