2008 Fiscal Year Annual Research Report
希少動物の保全モデルケースの確立-北海道小コウモリ類の分布特性から考える
Project/Area Number |
20710180
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
河合 久仁子 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 動物研究部, 特別研究生 (60451415)
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Keywords | 希少動物 / 小コウモリ類 / 分布特性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小コウモリ類の分布特性を巨視的に捉え、動物地理などと歴史的な背景や遺伝的要因が分布制限要因となりうるのかを検証し、保全対象を明確にする事である。具体的には北海道をモデル地区としている。 初年度である平成21年度は、日本列島では北海道内の道東道北地域に偏って分布すると考えられているホオヒゲコウモリMyotis gracilisをターゲットとし、道内で発見されている集団ねぐら4箇所において、30-40個体を捕獲し、外部形態を測定するとともにバイオプシパンチにて組織を採集した。また、口シア極東部プリモルスキー地域において、小コウモリの捕獲調査を行い、7種33頭を捕獲した。この中には、前述したM. gracilisも含まれている。現在は、ロシア極東部個体と北海道個体のM. gracilis分子系統学的解析を行っている。また、ロシア極東部で捕獲され、これまで日本列島に分布している種と同種と考えられてきた種のいくつかに分類学的な問題が生じたため、これを検証している。この点について、平成22年度に課題を引き継ぐ予定である。
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