2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20710186
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
錦田 愛子 Waseda University, イスラーム地域研究機構, 助手 (70451979)
|
Keywords | 地域研究 / 西アジア / パレスチナ / 人口・移住 / トランスナショナル・イシュ |
Research Abstract |
平成21年度は夏期に、調査対象地であるヨルダンに渡航し、資料収集と聞き取り調査を行った。対象はヨルダン国籍をもたないパレスチナ出身者で、おもに1967年戦争を契機に離散した「ガザ難民」である。調査はまず首都アンマーンにおいて、ヨルダン国内で難民キャンプを統括するパレスチナ関係庁(DPA)および国内数箇所の研究所で、政府のガザ難民に対する政策の動向に関する参考情報や資料を収集することから着手した。次にUNRWA(国連パレスチナ救済事業機関)スタッフの協力を得て、ガザ難民の集住地であるジェラシュ難民キャンプを訪問し、現地のコミュニティ事務所(CDO)においてガザ難民への聞き取り調査を行った。またアンマーン市内では、ガザ難民以外のパレスチナ系住民について継続調査を実施した他、クウェートにおける国籍取得に関する文献も収集している。 調査の結果については、早稲田大学イスラム人口研究懇談会(10月)において研究報告を行った。 また同内容についてまとめた論文は、早稲田大学イスラーム地域研究機構発行の雑誌に掲載されている(3月刊行)。ヨルダンにおけるパレスチナ系住民の離散の状況と帰化に対する意識については、この他に文部科学省科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の給付を受け、単著の形で研究成果を刊行した(3月刊行)。関連する研究内容として、パレスチナにおけるナショナリズムをめぐる議論の整理を、上智大学の研究合宿にて研究発表として行った(9月)。帰化に関連して、離散パレスチナ人の帰属意識の問題については、複数の雑誌に原稿を執筆している。
|
Research Products
(6 results)