2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20710186
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
錦田 愛子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (70451979)
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Keywords | 地域研究 / 西アジア / パレスチナ / 移民/難民 / トランスナショナル・イシュ / レバノン / 国籍 / 中東 |
Research Abstract |
平成22年度は本研究課題の最終年度として、これまで主にヨルダン、レバノンで行ってきた調査の成果を学会、研究会、市民講座、論文、その他の媒体などを通じて発表した。ヨルダン在住のパレスチナ人のうち、無国籍状態におかれたガザ難民(ガザ地区を出身地または経由地にもつパレスチナ人)に関する調査結果については、7月にバルセロナで開催された国際学会WOCMES(World Congress for Middle Eastern Studies)において「Citizenship in the Arab World」というパネルで報告した。当日は世界各国からアラブ系住民の各国における帰化や国籍取得をめぐる問題を専門にする研究者が集まり、報告に対するコメントや、他地域における事例など貴重な情報交換を行うことができた。同じ内容については、朝日カルチャー等の市民講座においても、研究成果を踏まえた報告を行っている。レバノンでのパレスチナ人による国籍取得の問題については、所属先機関が主催の共同研究会などの場で報告を行った。またWOCMES参加後にレバノンで調査を行い、帰化や市民権にまつわる問題として、調査時期の2010年夏にパレスチナ人に対する就労規制が国会で議論され、緩和の方向に向かった動向について調べ、論文を執筆した。同じ内容はウェブサイト上の投稿記事としてまとめ、朝日新聞社の朝日中東マガジンに掲載された。また別途ニューズレター等にも執筆している。クウェートにおけるパレスチナ人の帰化と国籍取得の問題については、時間と資金の制限のため現地調査を行うことはできなかったが、WOCMESでの情報交換、および資料調査等で既存研究の動向を調べるなどの成果をあげることができた。
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Research Products
(3 results)