2011 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおけるイスラーム主義急進派のイデオロギーと実践
Project/Area Number |
20710192
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
見市 建 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (10457749)
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Keywords | インドネシア / イスラーム / イデオロギー |
Research Abstract |
本研究課題においては、インドネシアのイスラーム主義武装闘争派であるジャマーア・イスラミヤ(JI)および2008年結成の新組織ジャマーア・アンソール・タウヒード(JAT)、イデオロギー的な急進派である解放党、現実主義的な合法政党である福祉正義党などのイスラーム主義組織の当事者および関係者に対して継続的なインタビュー調査を行い、また資料収集を行なってきた。最終年度となる本年度は主として研究のまとめ、分析、発表を行なった。 武装闘争派の映像およびインターネットの利用、福祉正義党を中心とした出版についての研究成果を発表した。イスラーム主義勢力はそれぞれの目的を達成するために、思想やイデオロギーを宣撫し販売をしている。DVDや書籍、ウェブコンテンツとして思想やイデオロギーを「商品化」し、「市場」動向に敏感に反応している。選挙による洗礼を受ける政党にとってはあまりに急進的なイメージは好ましくなく、武装闘争派にとっても闇雲な暴力行為は組織の存続に危機をもたらす。報告者はイスラーム主義を広くインドネシアの社会的文脈に位置づけ、その市場戦略を詳細に分析した。 以上の主として質的調査と分析に加え、2010年にJICA研究所が行なった世論調査を用いて量的にもインドネシアの政治諸勢力を分析し、新しいイスラーム政治の「地図」を描いた。さらに、中東のいわゆる「アラブの春」と呼ばれる一連の政変を踏まえ、1998年に民主化から10数年を経たインドネシアとの比較研究を行なった。
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Research Products
(6 results)