2008 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ熱帯雨林居住民の食物資源利用の様態と生活様式類型の再検討
Project/Area Number |
20710194
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
安岡 宏和 Hosei University, 人間環境学部, 講師 (20449292)
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Keywords | 生態人類学 / 歴史生態学 / 中央アフリカ地域研究 / 狩猟採集社会 |
Research Abstract |
2008年8月に、カメルーン東南部の熱帯雨林地域にあるZ村に住むバカ・ピグミーの人びとを対象として、以下の3点に関する現地調査を実施した。第一に、調査地域の植生と、それに関する人びとの知識に関する調査をおこなった。第二に、人びとの食物利用、とくに野生の森林資源の利用の調査をおこなった。第三に、野生堅果類の分布と堅果からの油の生産に関する調査をおこなった。 アフリカ熱帯雨林地域では、現在、住民の生活と両立可能な森林保全計画が模索されており、これらの調査によって、人びとの非木材森林資源(Non Wood Forest Products, NWFP)の利用の実態が明らかになり、重要な貢献を果たし得る。なお、第一と第二の調査結果と、これまでにおこなってきた調査結果とをあわせて論文を執筆し、Human Ecology誌とAfrican Study Monographs誌に、査読の上、受理された。 第三の調査に関しては、現在データの集計と分析をおこなっている。野生堅果類から採取される油は、アフリカ熱帯雨林地域においても、現金収入源になりうる非木材森林資源として注目されているが、だれが、どこで、どれくらい採取しているのか、また住民の生活全般においてどれほどの重要性をもっているのか、についてはよくわかっていない。そこで2009年度に予定している調査とあわせて、それらの点について検討する。
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