2008 Fiscal Year Annual Research Report
事務職におけるジェンダー間のキャリア格差に関する研究
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20710197
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
駒川 智子 Hokkaido University, 大学院・教育学研究院, 助教 (50466439)
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Keywords | ジェンダー / 経済・労働 / 事務職 |
Research Abstract |
本研究の目的は、銀行事務職の実態調査にもとづき、女性労働者の多層性に光を当て、女性労働者の抱える困難と女性人材の育成に向けた課題を探るものである。そのため本年度は、第1に関連する諸領域の先行研究のサーベイ、第2に金融機関のサーベイと調査対象の選定、第3に銀行事務職の実態調査を行った。以下、成果を具体的に記す。 1 国内外のジェンダー研究、女性労働研究、ホワイトカラー研究の先行研究を整理分析し、近年取り組まれている研究テーマとその理論ならびに方法についてまとめた。これによって、次年度に女性事務職研究の理論について執筆する準備が整った。 2 金融機関の経営環境や経営戦略について、ディスクロージャー誌と金融専門誌をもとに整理した。また金融機関の上部団体組織として、全国信用金庫協会ならびに東北地区信用金庫協会に聞き取り調査を行い、調査候補を選定した。 3 調査対象を大阪府内の信用金庫に設定し、人事担当者への聞き取り調査を行った。加えて次年度の本調査に向けて女性活用事例のプレ調査を実施し、女性の役職登用と女性のみによる支店運営の実態について知見を得た。これによって、本調査での調査枠組みを構築する素地ができた。なお当初の研究計画では調査対象を都市銀行とする予定だったが、世界的な金融不況の影響で調査が困難と判断されたため、研究代表者がこれまでに築いてきた人的ネットワークを活かし、信用金庫業界ならびに大阪府内の信用金庫を調査対象とした。
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