2008 Fiscal Year Annual Research Report
北・南米の日系女性文化に見られるジェンダーと表象性の比較研究
Project/Area Number |
20710198
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山出 裕子 Ochanomizu University, ジェンダー研究センター, 研究機関研究長 (10452038)
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Keywords | ジェンダー / 比較文化 / 女性文学 / 表象性 / グローバリゼーション / 日系文学 / カナダ研究 / ブラジル研究 |
Research Abstract |
この研究の目的は、北米(特にカナダ)と南米(特にブラジル)の日系女性文化に見られる特徴を、ジェンダーと表象性に注目して比較分析することにある。本研究では特に若い世代(日系三世や四世、「新一世」)の日系女性たちの文学作品や文化表象に注目している。さらに、これらの新しい世代の文化をこれまでの日系文化と比較することで世代間に見られる日系文化の違いを明らかにし、彼女たちが日本の内外で創り出している新たな日本文化の特徴とその方向性を示そうとするものである。 平成20年度の研究としては、まず、カナダにおける英・仏文化の比較という観点から、英系の日系カナダ人作家(トロント在住の日系三世作家、ケリー・サカモト)と仏系の日系カナダ人作家(モントリオール在住の日系新一世作家、アキ・シマザキ)にインタビューを行った。それをもとに、彼女たちの近年の作品に見られる特徴についてそれぞれの作品についての分析を行い、さらにそれらの分析を比較し、研究論文として発表した。(『カナダ文学研究』第16号掲載の研究論文参照のこと。) さらに、北と南米の日系女性文化の比較という観点から、南米ブラジルの日系女性文化に関する調査を行った。その調査の中心は、国内における学会への参加、資料収集、また、サンパウロ大学を中心とした在外研究調査であった。さらに、収集した資料をもとに、ブラジルの「ニッケイ」と日本の「デカセギ」の比較研究を該当年度(平成20年度)におけるブラジル研究の中心と位置づけ、日系ブラジル一世と新しい世代の映像作品に見られる表象性に関する比較研究を行った。その成果は、研究会での口頭発表や、学術雑誌(『ジェンダー研究』第13号など)に研究論文として掲載されている。
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Research Products
(6 results)