2008 Fiscal Year Annual Research Report
日英の賃金/収入のジェンダー統計分析-個人と世帯の関係を考慮して-
Project/Area Number |
20710200
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉橋 やよい Kanazawa University, 経済学経営学系, 准教授 (60377009)
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Keywords | ジェンダー統計 / 収入 / 男女間賃金格差 / 日英比較 / 個人と世帯 |
Research Abstract |
1. 男女間賃金格差・差別の要因分解手法の意義と限界の検討。 要因分解手法として最も頻繁に使われるブリンダー・ワハカ分解手法の意義と内在的限界を論文としてまとめた。限界は、(1) 「格差」と「差別」の大きさは、利用する説明変数によって、変化するという問題、(2) 労働者の属性の男女差に影響を与えている差別の軽視・無視を指摘し、さらに(3) 日本の先行研究に見られる説明変数ごとの要因分解の問題点を明示した。当該手法の限界を理解した上で、限定的に利用する必要である。 2. 家計分析 ジェンダーの視点から、「単身家計・共稼ぎ家計と女性の経済力」をまとめ(『三訂消費生活経済学』所収)、さらに、英国について、共同で、雇用者世帯の可処分所得に対する税・社会保険料負担や社会保障給付等の影響を、英国のミクロデータを用いて分析した(『家計所得の国際比較研究』に所収)。 3.賃金統計のジェンダー視点からの検討。 政府統計を用いて労働条件のジェンダー統計分析を行い『男女共同参画統計データブック2009』に一部掲載し、労働条件に関する政府統計の課題を示した。また、ジェンダー統計研究部会代表として及び個人でも、統計委員会の素案に対し、ジェンダー統計の視点から改善点のパブリック・コメントを提出した(2008年11月25日)
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Research Products
(4 results)