2011 Fiscal Year Annual Research Report
日英の賃金/収入のジェンダー統計分析-個人と世帯の関係を考慮して-
Project/Area Number |
20710200
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉橋 やよい 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (60377009)
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Keywords | ジェンダー統計 / 収入 / 男女間賃金格差 / 日英比較 / 個人と世帯 |
Research Abstract |
1.男女間賃金格差分析とジェンダー統計 (1)格差が拡大している中、低所得層に着目して、OECDのデータを使って男女間の賃金格差の国際比較を行い、フルタイム労働者に限定しても、日本は、女性の低賃金層の割合が高くかつその男女間格差が大きいことを示した。(2)厚生労働省の男女間賃金格差に関する研究会報告書を検討し、ジェンダー統計の重要性が認識されたことを評価しつつ、政府統計改善との動きが弱く、個々の企業や労働者に任されている点の弱さなどを指摘した。(3)国際的なジェンダー統計書である『世界の女性2010』を共同で翻訳した。(4)労働条件のジェンダー統計分析を行った。 2.イギリスの低所得層の検討 イギリスの社会保障のうち児童税額控除や就労税額控除に関わるデータの収集方法を検討し関連文献を翻訳し、そして引き続き社会保障制度の捕捉率を検討しより正確にデータ把握を可能にするよう改善を重ねてきた(これらは共同研究であり、その一部は、統計情報研究開発センターの叢書[2012年刊行予定]に掲載予定)。 3.日本の労働市場と女性労働-震災を通じて- 3.11は、日本の男女共同参画の進展の遅れを露呈した。男性稼ぎ主型の脆弱性も露わになった。本科研のキーワードである労働と生活、個と共同の関係を、3.11を考慮しながら、改めて検討し、ジェンダー不平等が女性の生活を脅かしていることを見た。
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Research Products
(3 results)