2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720020
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
福家 崇洋 京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (80449503)
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Keywords | 社会心理 / 戦間期 / 大正デモクラシー / 黎明会 / 満川亀太郎 / 国民道徳 |
Research Abstract |
本年度は、以下の4点において研究を進めた。1国内外機関所蔵資料の収集国内では国会図書館憲政資料室、法政大学大原社会問題研究所、同志社大学人文科学研究所、京都大学人文科学研究所、エル・ライブラリーなどで戦間期日本の国家社会主義、日本主義関係の資料を閲覧、複写した。国外ではロシア国立社会政治史アルヒーフで、日本の国家社会主義関係資料および日本共産党関係資料を閲覧・複写した。2データ・ベースの作成上記1で蒐集した資料の整理およびデータ入力を進めた。データ・ベースは完成し、現在公開に向けた手続きに入っている。3成果の公表本年度は、(1)「大正デモクラシー下の心理改造--一九一〇年代における木村久一の軌跡と思想」(『社会思想史研究』)、(2)『満川亀太郎日記』(共編著、発行所論創社)を発表した。4新たな知見(1)では、本研究のテーマのひとつである戦間期日本の社会変革における人間心理の行方を、木村久一という人物の軌跡と思想に焦点をあてながら考察し、彼が大正デモクラシー期に国民道徳論に代わる国家を超えた道徳を構築しようとしたことをはじめて明らかにし、大正デモクラシー研究に問題提起をおこなった。(2)では、1930年代初頭に国家社会主義運動に関わった満川の日記を翻刻・編纂・刊行した。1930年代初頭における国家社会主義政党「新日本国民同盟」の幹部である満川の日記は、当時の国家社会主義運動を内側からとらえ直すうえで貴重な資料であり、翻刻できた意義は大きいと考えている。
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Research Products
(2 results)