2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720025
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Research Institution | Onomichi University |
Principal Investigator |
深谷 訓子 Onomichi University, 芸術文化学部, 講師 (30433379)
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Keywords | 美術史 / 芸術学 / 美術の南北交流 / バロック / カラヴァッジスト |
Research Abstract |
本研究で計画するのは、北方 (とくにネーデルラント) 出身の画家たちが、ローマで注文を受けて制作した作品に関する情報収集 (目録化) と、そのなかでも特に重要と判断した数点の作品に関する個別研究である。1570年から1630年までに期間を限定し、ネーデルラント出身の画家がローマで注文制作した作品をリストアップして目録化する作業を行なった上で、彼らのローマにおける制作活動についてその全体像を把握し、重要な作品に関しては個別研究を行なって、ローマでの彼らの活動や評価、注文主や現地の画家との関係などに関して新知見を得ることを目的とする。 今年度は、既に収集済みの資料や二次文献などをもとに、まずは教会の祭壇画、及び貴族のコレクションに入っていたカラヴァッジストの作品を中心に、作業の土台とする目録作成の作業を進めた。また9月に行った海外調査では、ドイツ・バロックの画家の展覧会 (ウルリヒ・ロト展) にて作品の実見調査を行なうとともに、ミュンヘンの中央美術史研究所で稀少な美術文献を閲覧、資料収集にあたった。またバイエルン州立図書館でも、ガスパーレ・チェリオの著作など、17世紀初頭のローマでみられた美術に関する同時代資料を収集した。ベルギーでは、北方カラヴァッジスト間の影響関係を明確にするため、ヤン・ヤンセンスの画像資料等をブリュッセルの王立美術研究所のフォトテークで閲覧した。さらに彼の作品を所蔵するブリュージュ、ヘントの教会などで作品の実見調査を行なった。今後、これをもとにユトレヒト・カラヴァッジストとの間の影響関係について考察する予定である。
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Research Products
(2 results)