2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720033
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 寛 Ritsumeikan University, 大学院・先端総合学術研究科, 准教授 (40431879)
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Keywords | 聴覚文化 / 感性学 / ビデオゲーム / オリンピック競技 |
Research Abstract |
初年度である平成20年度は、これまでなされてきた聴覚文化研究の蓄積をできるだけ網羅的に精査し、本研究課題の目指すべき方向性を明確にした。その結果、本研究課題の中心的問題として、諸感覚の比較研究、および現代文化の研究の二つが浮かび上がってきた。 まず一点目の諸感覚の比較研究については、共通感覚論および視覚文化研究のこれまでの成果を吸収し、それとの関連において聴覚の特性と機能を明らかにした。その研究成果の一端として、現代のビデオゲーム(テレビゲーム)における視覚と聴覚と触覚の相互作用という事例を、GCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」第一回ビデオゲーム・カンファレンス(2009年2月2日、立命館大学アート・リサーチセンター)において報告した。 次に二点目の現代文化研究であるが、これについては上述のテレビゲームの問題もそれに含まれるとはいえ、もう少し大きな歴史的スパンで考察を行わなくてはならない。そこで今年度はまず、音と言葉(言語)のつながりが音楽芸術においてどのように展開してきたかを歴史を遡って調査した。その成果が、共著『オペラ学の地平』(丸本隆編)に収録された論文「ナショナル・オペラの成立と展開--フランス、イギリス、ドイツの場合」であり、そこでは「国語」および「国民的アイデンティティ」の観点から近代ヨーロッパ諸国のオペラ文化が新たに捉え直されている。また日本美学会刊行の国際学術誌『Aesthetics』に、オリンピックの芸術競技(音楽もそこに含まれる)についての歴史的考察を英文で掲載した。
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