2010 Fiscal Year Annual Research Report
『うつほ物語』享受史における奈良絵本と板本の影響関係についての調査研究
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20720056
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| Research Institution | Kyushu Sangyo University |
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Principal Investigator |
田村 隆 九州産業大学, 国際文化学部, 講師 (70432896)
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| Keywords | うつほ物語 / 絵巻 / 板本 / 九州大学蔵本 / 国文学研究資料館蔵本 |
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| Research Abstract |
1.新出「国文学研究資料館蔵本」の調査研究
平成23年1月24日から3月11日まで開催された国文学研究資料館通常展示「物語そして歴史-平安から中世へ-」の準備に携わる機会を得た。この展示会には『うつほ物語絵巻』二本が出展された。すなわち、九州大学附属図書館細川文庫蔵本と新出の国文学研究資料館蔵本である。この新出本を調査した結果、古活字版第一種に基づいて製作されたものであることが判明し、九州大学本の調査で示した「板本→奈良絵本」の流れが新出本においても確認された。すでに調査を終えている九州大学本と比較することを通して、挿絵や本文の相違点が明らかになった。これらの知見については、展示会にあわせて作成された図録において解説を執筆した。また、展示会初日の1月24日には「奈良絵本と板本-『うつほ物語絵巻』の場合-」と題する関連講演を行った。
2.奈良絵本関連データベースの製作
平成23年3月に九州大学文学部国語学国文学研究室所蔵の『竹取物語絵巻』のカラー画像が、九州大学附属図書館研究開発室作成の「日本古典籍画像データベース」において公開された。その解説の執筆を担当し、本研究で明らかになった奈良絵本と板本に関する知見を述べた。この『竹取物語絵巻』においても「板本→奈良絵本」の流れが認められた。この解説も同データベース上に公開されている。(https://qir.kyushu-u.ac.jp/infolib2/rare2/kaisetsu/taketori.html
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