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2010 Fiscal Year Annual Research Report

古典演劇が語った「歴史」観についての研究-中世・近世の軍記物演劇-

Research Project

Project/Area Number 20720068
Research InstitutionUbe National College of Technology

Principal Investigator

岩城 賢太郎  武藏野大学, 文学部, 講師 (40442511)

Keywords国文学 / 日本古典芸能 / 軍記物語 / 浄瑠璃 / 能楽 / 平家物語 / 源平盛衰記 / 修羅能
Research Abstract

本年度の研究実施計画では、以下の3点を重点的に進めることとした。
(1)近世期の源平合戦関連資料の蒐集と分析
(2)『平家物語』『源平盛衰記』の近世期享受の調査・分析
(3)本課題研究の総括
実施状況は以下の通りである。
(1)近世期版行の浮世草子、草双紙、読本、軍書、雑史等、ジャンルに拘らずに諸文芸中に見える、源平合戦期の武者達に関する記事を摘出・調査し、謡曲や舞曲等の中世演劇との関連や、浄瑠璃や歌舞伎等との比較・分析を行った。その結果、近世演劇作品中に提示される「源平合戦に関する歴史」観が、中世演劇のテキストと直接的、間接的な交渉を経ており、また、近世期の諸文芸中に示された言説とも関連が見出せることを確認した。そして、こうした近世演劇作品中に提示された「源平合戦に関する歴史」観が、明治期の軍記関連の読本等にも一部、引き継がれ、その影響は、近代の国語科教科書の記述等にも及んでいる例があることを確認した。
今後の申請者の研究においては、政治体制側で編纂された史書等には見えない、中世・近世演劇が培った「歴史」観の追跡を継続し、その影響の考察対象を、近代期の諸メディアにまで拡げる必要があると考えるに至った。
なお調査資料は、諸事情により、国文学研究資料館に蔵される、紙焼写真やマイクロフィルム資料等の閲覧・複写による調査が中心となった。
(2)近世期版行の無刊記『源平盛衰記』や、『源平盛衰記図会』『義仲勲功図会』等の本文や挿絵等の調査・分析を行い、近世期の浄瑠璃作品における『源平盛衰記』本文の広範な影響を確認し、中世・近世演劇と近世期絵画資料との交渉についても確認した。
(3)文献資料の調査結果は、公刊した論文中に部分的に翻刻・紹介をするかたちにとどまった。年度内に資料収集や調査は終えたものの、未だ分析・考察中の検討課題も残されており、本課題研究終了後のはやいうちに論文化し、研究成果を公表する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011 2010

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 中世・近世芸能が語り伝えた斎藤実盛-謡曲と『源平盛衰記』を経て木曽義仲関連の浄瑠璃作品へ-2011

    • Author(s)
      岩城賢太郎
    • Journal Title

      武蔵野大学能楽資料センター紀要

      Volume: 22 Pages: 15-40

  • [Journal Article] 教室で能を取り上げる手掛かりとして2010

    • Author(s)
      岩城賢太郎
    • Journal Title

      国語教室(大修館書店)

      Volume: 92 Pages: 54-57

  • [Presentation] 源平盛衰記と中世・近世芸能-木曽義仲周辺の謡曲・浄瑠璃作品-2010

    • Author(s)
      岩城賢太郎
    • Organizer
      「文化現象としての源平盛衰記研究」公開研究発表会
    • Place of Presentation
      國學院大學渋谷校舎
    • Year and Date
      2010-09-18

URL: 

Published: 2012-07-19  

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