2010 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀と21世紀のフランス現代文学を通して見た日本文化について
Project/Area Number |
20720089
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
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Keywords | フランス文学 / 比較文学 / 文学一般 / 文学論 / 美学 |
Research Abstract |
本年度も、昨年同様、21世紀のフランス現代文学における日本文化の影響を中心に研究を進めてきた。具体的な成果としては、2010年3月にパリ第三大学のセミナーで「性的差異の態度表明(Le Parti pris des Differences Sexuelles)」と題された報告を行った。また12月にはパリ第八大学で開催された「旅の詩学」と題されたシンポジウムに参加し、研究報告「旅のエクリチュールからノマドのエクリチュールへ-ポストモダンのある視点(De l'ecriture du voyage a l'ecriture nomade : une perspective postmoderne)」を行った。本年度は、さらに二つの出版物の刊行準備を進めた。2011年1月にディジョン大学出版局から刊行された『ノマドのエクリチュール-フランス作家と極東(Ecritures nomades : Ecrivains francais et Extreme-Orient)』(単著)と2011年4月に刊行を予定している『ミシェル・ビュトール-境界にて、あるいは移動の芸術(Michel Butor-A la frontiere ou l'art des passages)』(共編著)がそれである。前者は、フランス現代文学における日本文化の影響に関するこれまでの自身の研究成果に統一的視座を与え、一冊の書物として纏めたものであり、旅のエクリチュールとノマドのエクリチュールを問題を通して、エクリチュールの本質に迫ろうとするものである。後者は国際学会「ミシェル・ビュトール、境界にて-移動の芸術-」の成果であり、編者としてすべての原稿に繰り返し目を通し、用語の統一など複雑な編集作業を担当した。またこの書物には、自身の研究論文に加え、すべての論考を紹介・分析する序論を準備した。
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