2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720098
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田村 容子 University of Fukui, 教育地域科学部, 講師 (10434359)
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Keywords | 京劇 / 中華民国 / 舞台装置 / 劇場 / 中国演劇 |
Research Abstract |
本研究は、中華民国期京劇の舞台装置について、主として西洋式劇場において用いられた新式舞台装置の実態の解明に焦点を絞り、図像による視覚的資料と文字による文献資料の両面から調査を行うものである。調査は主に次の三点について、二年間にわたって行う。1. 中華民国初期(1910-1920年代)上海における京劇の舞台装置について、2. 中華民国中・後期(1930-1940年代)上海における京劇の舞台装置について、3. 中華民国期北方(北京・天津)における京劇の舞台装置について。 最終的には、中華民国期上海における京劇の新式舞台装置の発生と北方への伝播の流れ、および中華民国期における舞台装置の発展がもたらす京劇の総合芸術化と「新劇」との関連、の二点についてその詳細を明らかにする。 平成21年度は、以下の通り研究活動を行った。5月15日~17日にかけて、中国北京市で開催された「第三回京劇学国際学術研討会」において、論文「従新舞台到更新舞台:《申報》《梨園公報》中窺見的京劇新式舞台」を書面により発表した。当該論文は、早稲田大学演劇博物館に所蔵される中華民国時期の舞台美術関連資料を紹介し、上記1~3の時期の新式舞台装置について考察したものである。研討会上での自由討論を経て、加筆修正の後、平成22年度に出版される予定である。 また、上海図書館(中国上海市)および国家図書館(台湾台北市)において、「鴛鴦蝴蝶派」文人の手による劇評の収集、および上海で隆盛した「機関布景」の台湾への伝播に関する資料調査を行なった。これらの調査は今後も継続し、次の研究課題として引き続き考察したい。
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Research Products
(1 results)