2008 Fiscal Year Annual Research Report
チノ語の記述調査及び周辺諸言語との言語接触・言語類型論的研究
Project/Area Number |
20720111
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
林 範彦 Kobe City University of Foreign Studies, 外国語学部, 講師 (40453146)
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Keywords | チノ語 / チベット・ビルマ諸語 / ロロ・ビルマ諸語 / 東南アジア諸語 / 記述言語学 / タイ文化圏 |
Research Abstract |
今年度の研究実績としては以下の3点にまとめられる。 (1) 海外現地調査 2008年7月〜8月および2009年2月〜3月に中国雲南省において、チノ語悠楽方言の自然発話データならびに作例データの収集、さらにチノ語補遠方言の補充語彙データの収集を行った。悠楽方言については、名詞述語文・コピュラ文・動詞連続構造・従属節に関するデータを採集し、また補遠方言についても基礎語彙を補充するデータを採集できたので、当初の研究計画に即していると言える。 (2) 研究発表 2008年度は国際会議での口頭発表を合計4回行い、そのうち1本については2008年度内に研究論文として掲載される。いずれもチノ語悠楽方言の文法に関するものである。更に図書としてチノ語悠楽方言の全体像について神戸市外国語大学研究叢書として出版された。これには基本的な文法構造が整理されており、また基礎語彙も索引がついて一覧できるようになっている。 (3) 資料収集 2008年4月〜5月はタイ・チェンマイ市およびバンコク市にて、2009年1月〜2月にはタイ・チェンマイ市およびラオス北部地域にて、東南アジア諸語関連の書籍資料を収集した。更に、2009年1月のタイ訪問では、パヤップ大学の言語学科の研究者と交流し、タイ北部地域の少数民族語研究事情とそれにまつわる諸問題などについて討論を行った。 なお、本計画ではチノ語悠楽方言の小語彙集の完成を目指しているが、現在のところ、この計画遂行にやや遅れが生じている。2009年度以降では小語彙集作成に力を注ぎ、計画遂行を順調に推し進めたい。
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Research Products
(5 results)