2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720121
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 博史 Kyushu University, 大学院・人文科学研究院, 准教授 (90315929)
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Keywords | 構文 / 重複 / 複合 / 文法化 / 句 / 統語的複合動詞 |
Research Abstract |
本年度における研究の業績は以下のとおりである。 (1) 発表「動詞の複合に関する一考察-「~まくる」を中心に-」(第91回国語語彙史研究会,関西大学,2009年4月) (2) 論文「動詞重複構文の歴史」『日本語の研究』5-2(日本語学会,2009年4月) (3) 発表「動詞重複構文の展開」(平成21年度九州大学国語国文学会,2009年6月) (4) 共著『はじめて学ぶ言語学』(大津由紀雄編,ミネルヴァ書房,第15章 ことばの歴史をさぐる,2009年10月) (5) 論文「動詞重複構文の展開」『古典語研究の焦点』(武蔵野書院,月本雅幸他編,2010年1月) (1)では,統語的複合動詞「~まくる」の文法化の過程について,類義表現を視野に入れながら詳しく記述した。(2)では,連用形重複と終止形重複の歴史について,構文論的観点を交えた詳細な分析を行った。(3)では,(2)で取り上げられなかったその他の重複形式について,近世以降を中心に文体論も交えながら記述した。(3)の口頭発表の内容は,(5)として活字化した。(4)は,一般向けに書かれたテキストである。可能表現と準体助詞を取り上げ,意味論・語彙論・統語論のあらゆる分野から歴史的研究の面白さについて述べた。 以上のように,本年度においては,語形成に関する諸現象を歴史的観点からダイナミックに記述するという研究目的に沿った,重要な研究成果を数点発表した。
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