2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720164
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲田 奈津子 東京大学, 史料編纂所, 助教 (60376639)
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Keywords | 比較歴史学 / 東アジア / 儀礼 / 律令制 / 金石文 / 墓誌 / 喪葬 / 正倉院宝物 |
Research Abstract |
1、日本古代の喪葬儀礼を考える上で重要な史料となる墓誌について検討をおこなった。前年度にひきつづき、国内の墓誌出土地の踏査をおこない、原物の実見調査も実施した。また周辺諸国における事例の収集・検討をふまえて再検討を加え、その成果の一部を「日本古代墓誌の系譜」と題して口頭報告した。 2、韓国の扶余・公州・益山・ソウルにおいて、金石文資料を中心とした博物館等所蔵資料の調査、および関連史跡の踏査をおこなった。その調査成果の一部は、論文「百済弥勒寺の舎利奉安記について」、および翻訳論文「韓国の買地券」として発表した。これらは、儀礼文化の比較研究において示唆に富む事例を紹介し、解説を付したものであり、今後のさらなる研究に向けた基礎作業と位置付けている。また在外金石文の拓本調査を国内所蔵機関において実施した。 3、唐代皇帝喪葬儀礼について記す『大唐元陵儀注』について、儀式全体の流れをふまえた再検討をおこない、24年度の注釈書出版に向けた準備作業をおこなった。またこれに関連し、中国の洛陽において博物館等所蔵資料の調査、および皇帝陵などの踏査を実施した。 4、奈良時代儀礼を復原する上で重要な参考資料となる正倉院宝物に関して、その近代における調査研究・文化受容の様相を探るため、関係資料の検討をおこない、論文「杜園と橋本仙之助-森川杜園『正倉院御物写』の世界(5)-」にまとめた。 5、律令制・儀礼史・正倉院関係図書を中心とした資料の収集をおこなった。
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