2009 Fiscal Year Annual Research Report
入明記の史料学的検討に基づく日明関係における大内氏の位置の解明
Project/Area Number |
20720167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須田 牧子 The University of Tokyo, 史料編纂所, 助教 (60431798)
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Keywords | 入明記 / 日明関係 / 遣明船 / 室町政権 / 大内氏 / 日本史 / 中国史 |
Research Abstract |
今年度においては、第一に、昨年度の研究成果により史料群全体の撮影を終えた、京都国立博物館寄託・妙智院所蔵「策彦入明記録及送行書画類」について、写真の焼付整理を終え「妙智院史料」と題して所属機関の図書室に入架し、入明紀研究が広く行なわれるための基盤を整えた。この際、従来から所属機関に所蔵される謄写本・影写本・模写・写真等との関係が明確になるような形でデータを整理し、検索の便を図った(所属機関のデータベースで検索可能、または東京大学史料編纂所報44号、66~68頁参照)。第二に、15世紀半ばに派遣された宝徳度遣明船の記録である「笑雲瑞〓入明記」について、翻刻・注釈を完成させ、解題・参考史料・地図類を付して入稿した。『笑雲入明記-日本僧の見た明代中国』と題し、平凡社東洋文庫から来年度刊行予定である。この際、「策彦入明記録及送行書画類」のうち、「駅程録」・「沿途水駅」を翻刻して、「笑雲瑞〓入明記」の記述とのつきあわせ・検討を行ない、「駅程録」については『笑雲入明記』に参考史料として収めた。この二点の史料の翻刻作業に当たっては大学院生の助力を得た。第三に、宝徳度遣明船の関連史料を収集する過程で、同時代貴族の未翻刻日記に関連記算があるのを見出し、その日記自体の翻刻に着手した。これは共同作業として行ない、成果の一部を連名で「<史料紹介>綱光公記」として所属機関の研究紀要に報告した。第四に、15世紀半ばの大内氏の動向を対外情勢と絡めて検討し、この成果を「大内教幸考」と題して、史学会大会で報告した。第五に、「策彦入明記録及送行書画類」の史料群としての性格を解明する一つの試みとして「謙齋南渡集」を翻刻し、検討作業に着手した。この翻刻作業に当たっては大学院生の助力を得た。
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[Presentation] 大内教幸考2009
Author(s)
須田牧子
Organizer
史学会大会日本史部会
Place of Presentation
東京大学本郷キャンパス法文1号館215番教室
Year and Date
2009-11-08