2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720174
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
内山 一幸 Nihon Fukushi University, 知多半島総合研究所, 研究員 (80454411)
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Keywords | 日本近現代史 / 大名華族 / 士族 / 旧藩 |
Research Abstract |
本年度は当初の研究実施計画に基づき、柳川古文書館所蔵の「旧柳河藩主立花家文書」の調査を行った。そのほかに国立国会図書館、国立公文書館において史料収集を行い、さらに福岡市総合図書館、福岡県立図書館において地元の新聞を閲覧した。また研究の遂行に必要な文献として華族ならびに旧柳河藩士に関する書籍を購入した。 上記の史料収集と平行して、立花寛治による農事試験場設立に至るプロセスの解明につとめた。特に立花寛治の履歴の解明と彼に対して影響力を及ぼした親族たちについて重点的に検討を行った。この作業によりこれまで未解明であった寛治の履歴が判明し、さらに親族としては旧一宮藩主加納久宜の存在が重要であったことが明らかとなった。 また立花寛治が複雑なプロセスを経て農事試験場設立に思い至ったことが判明した。具体的には設立場所について当初は旧藩領ではなく東京を考えていたこと、またそもそも農事試験場ではなく未開地の開拓も検討していた点などである。新たに判明した事実は大名華族の旧藩領に対する認識を捉えるうえで重要であると考える。次年度においては、立花寛治の現状認識および自己認識を検討し、あわせて大名華族の家政に関与した士族たちと比較検討を行うことで、研究の完遂につとめたい。 なお年度の途中において、上記の研究の見通し的なものを口頭報告した。また本年度の研究成果を踏まえた論考を現在準備中である。
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Research Products
(2 results)