2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720187
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
甘利 弘樹 Oita University, 教育福祉科学部, 准教授 (90398256)
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Keywords | 東洋史 / 中国 / 広東 / 清朝 / 康煕期 |
Research Abstract |
研究の2年目に当たる21年度は、国内における資料調査としては、東北大学附属図書館において、中国清代広東史に関する資料調査(実施期間:8月7日・10日)を行った。また、明清史夏合宿(実施期間:8月7日~9日、実施会場:いちのせき健康の森セミナーハウス)に出席し、中国明代・清代の政治史・地域社会史に関する報告の視聴を通して、広東山間地における清朝統治確立過程の解明に資するデータを入手した。 そのデータの整理・分析を経て、成果の一部を日本華僑華人学会大会2009において「清朝中期の嘉応州について」と題し発表した(発表年月日:2009年11月15日、発表会場:大阪大学中之島センター)。本発表は、清朝中期における嘉応州の行政上における変遷を追究し、その時代的・地域的意義を明らかにしたものである。本発表を通して、康煕前半期における広東山間地統治が、清代史全体の中でいかに位置づけられるかを確認できた。 さらに資料調査の過程において、陳春声氏の論文「韓江流域的社会空間與族群観念」(『「区域再結構與文化再創造:一個跨学科的整合研究」会議手冊曁論文集』中央研究院民族学研究所、2005年所収)を入手した。当該論文は、明代中期から清末に至るまでの広東山間地社会を、多様なアプローチによって解明した最新の成果であり、本研究において重要な視点・データをもたらすものであるため、分析・検討に着手した。これ以外に、広東山間地に関する認識を深めるために、清代広東山間地とそれに関連する清代地方政治史関係の資料・書籍の購入を行った。 なお、国外における資料調査は、執務の関係上時間の設定ができず、実施が適わなかった。また、上述した1ヵ年の研究と研究1年目の成果を通して明らかとなった広東山間地に関する論文の執筆を、年度末において進めた。
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Research Products
(1 results)