2009 Fiscal Year Annual Research Report
戦国文字と記録媒体に関する基礎的研究―戦国史像の再構築―
Project/Area Number |
20720188
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
下田 誠 Gakushuin University, 文学部, 助教 (40448949)
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Keywords | 戦国文字 / 記録媒体 / 戦国史 / 資料学 / 国際研究者交流 / 中国・台湾 / 国際情報交換 / 中国・台湾 |
Research Abstract |
本年度は、戦国文字と記録媒体の基礎的研究の2年目である。本年度は当初、太原趙卿墓出土青銅器の研究を課題としていたため、2009年9月15日~17日にかけて山西博物院を訪問、現物を閲覧し、そのほか戦国青銅兵器を将来的に調査を進めていくための道筋をつけた。ただし、青銅容器の編年や同墓の位置づけについては課題を残し、次年度以降も継続的に検討していくこととした。 12月18日、中国・北京市の中国社会科学院歴史研究所において「中国古代国家の形成と青銅兵器」(先秦史研究室主催・先秦史料研読班第八期)と題する報告をおこなった。本報告は「戦国青銅兵器研究概観」と「韓国兵器研究-新式官僚制の形成過程」の二部構成からなり、本年度もっとも精力を注いだ研究であった。とりわけ本年度は出土文字資料の「史料化」という視点を強調し、これまでの筆者の研究をさらに一歩前進させる内容であったと考えている。 また本年度は別経費により比較的長期間、中国に滞在できたこともあり、当該テーマを進展させるべく、積極的に国内・海外の学者との交流を進め、先秦史研究の動向や古文字学研究・考古学研究に関する最新情報の収集に努めた。そのほか前記、先秦史料研読班には定期的に参加し、また清華大学大学院における西周金文の講義を聴講するなどして、甲骨・金文学や先秦文献に対する理解を深めた。 なお、年度はじめに前年度の成果を紹介する「戦国文字・戦国史研究の新展開-殷周金文集成(修訂増補本)の出版と上海博物館所蔵青銅兵器の調査をふまえて-」を発表した。
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