2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720200
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高草木 邦人 Nihon University, 文理学部, 助手 (60453867)
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Keywords | 近現代史 / 政党政治 / 議会政治 / 国際情報交換 / ルーマニア |
Research Abstract |
二十世紀転換期ルーマニアにおける国会議員のデータベースについては、現在の段階で、1895年、1899年、1901年、1905年、1907年、1911年、1912年、1914年の下院選挙に関する情報を下院議事録などから抽出した。抽出したデータは、 (1) 氏名、 (2) 所属政党、 (3) 選挙部会、 (4) 選挙区、 (5) 得票数、 (6) 選挙結果という項目に整理した。本研究が対象とする期間において、国会選挙が10回ほどであったことに鑑みれば、下院に関してはほぼデータ化を行うことができた。次の段階として、データが選挙毎に収集されているので、これらを統合し、人物の同定作業を行い、約20年間において国会議員と選挙区との関係を検討する予定である。次に、二大政党の中央と地方との差異の検討であるが、C.ステレを中心とした自由党ヤシ県支部の活動を分析した。特に、1914年の自由党の二大改革において、ステレ率いるヤシ県支部と保守派との間の〓を検討した。ステレらが改革の「防衛」のために結成した改革同盟が首都ブカレストではなく、モルドヴァの古都ヤシ発信の組織であった点が意味深い。さらに、この地域的要素は改革同盟に対して最も辛辣な批判者ブレリアヌからも読み取ることができる。彼は自由党保守派でもあるが、富農が相対的に多く存在するオルテニア地方テレオルマン県の自由党幹部であった点も考慮すべきである。つまり、自由党が一主張した二大改革は民主化を軸とした対立の他にも、地方における経済的偏差も内包していたといえる。
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