2008 Fiscal Year Annual Research Report
水田稲作模型・画像からみる漢代長江流域の稲作農耕の実態研究
Project/Area Number |
20720207
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
佐々木 正治 Ehime University, 東アジア古代鉄文化研究センター, 助教 (60457380)
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Keywords | 稲作農耕 / 水田模型・画像磚 / 水利史 / 中国考古学 / 中国四川省 |
Research Abstract |
《調査・研究概要》 本年度を通じ、調査報告書から資料を収集しデータベース化をすすめ、出土地・資料数・資料の年代などの特徴を把握していった。同時に資料の分布図を作成した。これを元に東海大学渡部武教授の指導を仰ぎ、このうち最も資料が多い四川省を本年度の調査対象地とし、特に重要と思われる資料を選定し、資料調査を進めることとした。 2008年9月8〜22日、2009年2月20日〜3月6日に渡航、各地で実測・写真撮影を進めた。現地の都合により(四川大地震の影響や博物館の改修など)当初の予定を変更せざるを得ない場合もあったが、どうしても見ておきたいものはほぼ実見することができ、約30点ほどの資料を実見できた。調査地は四川省の成都市・新津県・新都県・彭山市・楽山市・峨眉山市・西昌市などで、各地の博物館・文物管理所を回った。 《研究成果と意義》 既報告の資料はほぼ集成した。これにより資料の分布状況や時期ごとの変化を把握することができた。また、資料の実見により、元の報告書の図版・写真には表わされていない重要な遺物の特徴などを発見することができ、時期・地域ごとの遺物の関係や、模型・画像に表現された農業風景の実態を知る手がかりになる。こういった基礎的研究がほぼ固まったので、地域を広げて同様の調査をし、実証的研究をすすめていくことが可能になった。この他、未報告・未公開資料が多数あり、現地研究者の協力により実見することができた。これらは、プライオリティの問題で日本において研究に用いることはできないが、参考価値は非常に高く、今後の研究に示唆を与える点が大きい。 以上の調査・研究のうち、いくつかの問題について論文発表・学会発表を行った(11. 研究発表参照)。
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Research Products
(3 results)