2008 Fiscal Year Annual Research Report
近世以降における日本の自然環境変化に関する研究-絵図・地図のデジタル化を通じて-
Project/Area Number |
20720224
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
鳴海 邦匡 Konan University, 文学部, 准教授 (00420414)
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Keywords | 環境史 / 絵図 / 古地図 / 都市史 / 城下町大坂 / 大阪湾岸整備 / 譜代大名家文書 / グーグルアース |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本における近世以降の景観変動のプロセスに注目し、なかでも身近な自然環境の変化を追跡することであり、それを検証するにあたって主に3つの課題を当初設定していた。ここにおいて設定した課題は、(1)里山の植生景観の変化、(2)陵墓や社寺林における植生景観の変化、(3)都市の拡大とするものであり、そのうち平成20年度では、(3)の近世都市の開発に関わる課題を中心に調査・研究を進めてきた。 実際に実施した調査は、兵庫県篠山市教育委員会に所蔵される譜代大名家文書である青山家文書絵図の基礎調査を主に実行するものであった。それはこの資料群がこれまでほとんど調査されて来なかった新出の資料であったからである。実施した調査は、近世城下町としての大坂の開発に関わるテーマについて、17世紀中頃という近世の早い段階における淀川水系や大阪湾岸の整備の実態を明らかにすることを目的としている。その基礎調査の内容については、学会(歴史地理学会および人文地理学会での大会)にて報告するとともに、成果を論文(『大阪の歴史』)としてまとめた。 また、研究の目的には、こうして得た環境変化に関する知見を効果的に教授する手法の開発についても言及している。その点に関して学会でのシンポジウムに参加して報告(日本国際地図学会)を行い、グーグルアースの有効性について検討した。さらに、近世絵図の作成技術の理解に関わって、当時の技術書のテキスト化の作業をすすめ、その成果を紀要論文(『甲南大学紀要』)として報告した。
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Research Products
(6 results)