2010 Fiscal Year Annual Research Report
近世以降における日本の自然環境変化に関する研究-絵図・地図のデジタル化を通じて-
Project/Area Number |
20720224
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
鳴海 邦匡 甲南大学, 文学部, 准教授 (00420414)
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Keywords | 絵図 / 環境史 / 都市史 / 実測図 / 淀川 / 陵墓 |
Research Abstract |
研究の目的は、日本における近世以降の景観変動に注目し、身近な自然環境の変化を、絵図を中心とした資料からみていくことである。その対象とする地域として、平成22年度は、特に(1)社寺林・陵墓林、(2)都市を設定した。そのうち(1)では、宮内庁書陵部、京都府立総合資料館、京都大学附属図書館において、(2)では篠山市教育委員会、大阪歴史博物館、京都府立総合資料館、国立歴史民俗博物館、堺市立博物館、熊本県立図書館、鳥取県立博物館・図書館において主に資料調査を実施した。 (1)については、まず近世の大工頭である中井家文書に含まれる境内絵図に注目して調査を実施した。その資料の特徴を明らかにするとともに、京都大学附属図書館所蔵の中井家文書絵図の目録を作成した。また、陵墓の景観変化とその管理実態を明らかにするため宮内庁書陵部などで資料調査を実施し、植生に関する近代の工事記録簿を見出すとともに、近代初頭の陵墓の景観を詳細に描いた絵図集を資料集としてまとめ発刊した。 (2)については、昨年度に引き続き近世前期における大坂周辺の水系を描く絵図の調査を実施し、新たな資料を発掘してその撮影を実施した。その成果の一部については学会で報告するとともに、それら資料の出版の準備を進めている。また、近世の都市を描いた実測図の事例の調査を、熊本、鳥取、堺において実施し、特に重要な資料については撮影を実施した。これらの撮影したデータは全てデジタル化しており、現在、その活用に向けて各自治体と議論を進めている状況である。
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Research Products
(3 results)