2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20720231
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
埴淵 知哉 Osaka University of Commerce, JGSS研究センター, 研究員 (40460589)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 社縁 / 健康 / ライフヒストリー / 質的調査 |
Research Abstract |
本年度は、地域のソーシャル・キャピタル(社会関係資本)か住民の健康に寄与するメカニズムを、地理と歴史に照らして解明するという研究目的にしたがい、愛知県知多半島に移住した企業労働者・退職者に対する探索的インタビュー調査を実施した。 とりわけ、「社縁地域」における社会関係構築の実態と実態と意識の探索を目的として、インフォーマントからの情報収集と、住民のライフヒストリーに関するインタビュー調査を進めた。調査内容としては、職場・地域・家庭・移住・退職といった場面における社会関係の様相と変化を、本人の生活に照らして語ってもらい、さまざまな社会関係の意味・役割と、それが構築される場所との関わりを導出することを試みた。 得られた語りは文字情報として記録し、質的データ分析の手法を用いて分析した。その結果職位や職業の変化と、社員寮・社宅・持家といった居住地の移動という並行した変化に伴い、社会関係の構築と変遷が生じる地理コンテクストの諸相が具体的に示された。 本年度の探索的調査は、今後実施を予定しているアンケート調査を設計する上で不可欠なものであり、サンプリングや設問作成の土台となるものである。他方、今年度の中心なインフォーマントである労働者に加えて、配偶者や退職者、地元出身者といった異なる属性をもつ対象を調査する必要性も浮かび上がった。 また、本年度はこれまでに研究を進めたソーシャル・キャピタルと健康に関する研究成果をシンポジウムや学会誌等においで積極的に公表した。
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