2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アフリカにおけるセクシュアリティの変化と「シングル」の生活戦術の可能性
Project/Area Number |
20720236
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
椎野 若菜 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (20431968)
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Keywords | シングル / 寡婦 / 女性 / 結婚 / 離婚 / ケニア / ウガンダ / 社会変化 |
Research Abstract |
本研究は、植民地経験に端を発する西欧近代化、近年のグローバル化に伴い著しい社会変化をみせる東アフリカにおいて、さまさまな理由で単身の状態にある「シングル」の存在に注目している。 本年度は、ウガンダ共和国のルオ系ランゴ民族の村落、ケニア共和国のルオ村落において実地調査をおこない、またそれぞれの国において文献調査も行った。 その前の年に予備調査を行っていたウガンダ共和国のとりわけ北部は長年LRAとよばれる反政府軍によって人びとは脅かされてきたが、ようやく治安もおちつき、UNHCRも事務所をひきあげて首都にもどっていた。しかし、国連キャンプがあった場所には幾世帯かがいまだ残っており、とくにそれは寡婦の世帯であることも観察された。またUNキャンプが設置されることで、世界中のNGOがおしよせ、村落部の人びとは家族計画をはじめ、短期間にさまざまな知識にふれ、伝達されていることも明らかになった。とりわけUNキャンプでは離婚率が高くなったという。 またシングルの女性世帯が比較的多く、教師、さまざまな商売を営んでキョウダイが互助し合っているさまも観察された。今後、こうしたUNキャンプ、NGOがもたらした意識の変化を鑑みながらより女性たちの生き方の選択やその地位の認知のされかたについてみていく必要性がでてきた。 ケニアにおいてはひきつづき同じ村落で継続調査を行った。町にでていくシングルマザー、エイズでなくなる寡婦の数的調査の必要性がでてきた。
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