2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国の葬儀改革に関する社会人類学的研究:国家と人々を媒介する分節集団の事例研究
Project/Area Number |
20720245
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田村 和彦 Fukuoka University, 人文学部, 准教授 (60412566)
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Keywords | 社会人類学 / 中国研究 / 生死学 |
Research Abstract |
本研究は中国における死者の処理をめぐって展開する葬儀改革について社会人類学的なアプローチを用いて研究を進めるものである。近代化の一環としての葬儀改革と、社会主義化のなかで進められている国家政策としての葬儀改革が折り重なる形で展開してきた。この政策な複雑性を受け止める場としての実践空間に焦点を当て、改革を行なう人々と改革の受け手である人々を考察対象とすることで、遺体の処理という生死の境界を新たに分割し意味を与えつつある、文化の受容をめぐる人々の実践を考察することを目的としている。 第2年度にあたる21年度は、以下の作業を中心に行なった。 中国西北地域におけるもっとも規模の大きな殯儀館(セレモニーセンター、火葬場)にて、実際の葬儀を構築している各作業チーム(医療技術に相当するセクションを除く)と共同で作業にあたることで、作業手順とそこで用いられる知の観察/部分的共有を図った。 また、にれらの作業「改革」と位置づ位置づける文脈を明確にするために、施設内の通達文書を中心に文字資料を収集した。 あわせて、昨年より開始した、.漢民族の葬儀に関する葬儀研究の収集を継続した。 これらを総合しつつ、最終年度にあたる22年度の調査スキームを修正、再組織した。
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