2008 Fiscal Year Annual Research Report
中華民国時期の上海・天津における不動産慣行-南北両租界と周辺域の物権と司法-
Project/Area Number |
20730010
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
加藤 雄三 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, 助教 (20353451)
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Keywords | 中華民国 / 不動産取引 / 租界 / 天津 / 上海 / 公文書館 |
Research Abstract |
(資料収集)天津図書館及び天津市梢案館において、Old Concessionを中心とする英国租界及び日本租界関連の資料に重点を置きながら、旧ロシア、イタリア、ドイツ、ベルギー、オーストリア租界である特別区における不動産取引資料を収集した。天津関連資料に関して述べると、商会档案は整理されているが、その他に関しては利用が少なく、残存情況の把握につとめた。閲覧に際しての手続が煩瑣なうえ、不動産取引資について短期間でほぼ閲覧を終えることができるほど期待したよりは収蔵量がなかった。また、資料撮影および複写に諸々の制限がっき、最低限の資料を撮影するにとどまった。上海「南京の各機関においてはほぼ無制限で脊を閲覧することが可能なこと、南京には民国時期め全国的な資料が集められていることを考慮すると、今後は天津にかかわる資料も南京・上海で収集することが望ましいと考えられる。 (研究)南北租界における慣行の比較に先立って、先行若手研究において収集した『上海ニ於ケル不動産慣行調査報告」、『上海に於ける不動産問題聴取書』のテクストデータベースを作成し、既に完成している『「支那都市不動産調査報告書」草稿』テクストデータベースを合わせ用いることで、研究目的に述べた永租慣行、典権、建築物・土地関係等の諸論点について、地域ごとに整理を行うことを目指した。ただし、『調査報告』、『聴取書』のいずれも膨大な量を誇るため、テキストデータベース作成を完了するまでにいたらず、データベース作成と論点整理を同時並行で進めた。論点整理時には『草稿』の形式に倣って(1)外国人の権益(中国人との権利関係を含む)、(2)中国人同士の権利関係に再構成し、比較に備えている。
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