2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730024
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
木村 草太 Tokyo Metropolitan University, 社会科学研究科 都市教養学部・法学系, 准教授 (50361457)
|
Keywords | 公法学 |
Research Abstract |
本年度は、国籍とナショナリズムの概念について研究を深め、国籍法違憲判決について7月に研究会報告を一回、学会報告を一回行った。この報告では、国籍法違憲判決の背景には、血の絆を重視する思考があること、これは国籍配分基準において宿命性を重視する思考であり、ナショナリズムの一類型とみなし得ることを指摘した。また、8~9月は、体系書の執筆を行うとともに、代表概念・議会制・予算制度に関する基本図書の読解を進め、また憲法体系全体についての研究と整理を行った。10月には、公法学会・全国憲法研究会の報告を聞き、最新の研究成果に触れた。また、同月には横浜国立大学にて、公共建築における代表の意義について報告を行った。また、12月には憲法と地方自治研究会にて、国民と住民の関係を考察する代表概念について意義深い研究報告を行うことができた。この報告では、住民が国民を代表し得る存在である一方、国民から距離のある存在とみなされており、このような住民概念の二重性は公益の概念の帰結であることを指摘した。 また、2月には、山本理顕教授から公共建築における代表の意義についての専門的知識の提供を受けることができた。 本年度も順調に研究が進み、8月に地方自治の場における代表の概念を考察する原稿、2月に国籍法違憲判決の判例評釈、3月に国民と住民の関係についての研究発表をそれぞれ公表することができた。また、代表概念と密接な関係を持つ平等概念についての研究も進め、3月までに二本の論文を執筆した。専門雑誌・講座にて順次公表される予定である。
|
Research Products
(4 results)