2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730028
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中山 茂樹 京都産業大学, 法務研究科, 准教授 (00320250)
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Keywords | 憲法 / 学問の自由 / 生命倫理 / 臨床研究 / リベラリズム |
Research Abstract |
機関内倫理審査委員会のしくみや研究の自由との関係での医科学研究の規制のあり方に関する文献およびインターネット等から情報収集し、パソコンで整理・分析して、生命倫理と法の諸問題の法的検討を進めた。また、日本公法学会第75回総会、日本法哲学会2010年度学術大会、生殖テクノロジーとヘルスケアを考える研究会、東京大学公共政策大学院・科学技術と公共政策研究ユニットI2TAプロジェクト公開シンポジウム「テクノロジーアセスメント(TA)の実践とわが国における制度化の課題」、「マイケル・サンデルと生命倫理問題」研究会(第32回公共哲学研究会)、日本医学哲学・倫理学会公開講座「iPS細胞研究と医療の『いま』と『これから』」などに参加あるいは聴講して、情報の収集・交換を行い、検討を進めた。その結果、次のような知見が得られた。 ・機関内倫理審査委員会の法的な位置づけについては、公権力の行使についての法律の留保原則や学問の自由に含まれる研究機関の自治の原則との関係で、かならずしも十分に整理されておらず、日本に現に存在する各種の機関内倫理審査委員会の性格の違いをもふまえた上で、さらに整理・検討していく必要がある。 ・生命倫理における社会的合意形成を重視する議論は、社会において諸個人に共有されるべき「幸福」や「生き方」を公共的に設定することを論じるコミュニタリアニズム的・共和主義的主張と近接・重畳する面があり、日本国憲法が前提とすると考えられる「個人の尊重」原理ないしリベラリズムの原則との関係について、整理・検討する必要がある。 以上の知見をもとに、上記の課題について整理・検討を引きつづき行っているところである。
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Research Products
(1 results)