2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際法秩序の多元化と国際法解釈の再検討:国際法の一般原則と条約法条約を中心に
Project/Area Number |
20730033
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
西元 宏治 Senshu University, 法学部, 准教授 (00401018)
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Keywords | 投資協定 / 条約解釈 / 最恵国待遇 / 紛争処理 / 条約法 / 国際法秩序の多元化 / 国際法の一般原則 |
Research Abstract |
申請時の研究計画のもと、平成21年度は、前年度に引き続き主に研究会への参加を通じて文献調査及び判例研究を行なった。また長年の懸案であった海洋法の研究に着手した。 まず、2002年来、共同幹事を務めている「国際判例事例研究会」を4回開催し、近時の国際司法裁判所の判決を中心に関連する一般国際法上の概念及びその解釈適用上の問題点に関する分析を行なった。次いで、「投資協定仲裁研究会」「エネルギー投資研究会」に参加し、投資協定仲裁判断における慣習法上の基準についての分析とそこから得られる今後の投資協定の条文作成への示唆について報告を行なった。「通商関係条約と税制研究会」に参加し、上記の一般国際法及び投資協定に関する研究を踏まえ、企業に対する二重課税の防止等を目的とした租税条約と通商関連条約の相互関係の研究をおこなった。過去数年の投資協定仲裁研究会の研究成果に加筆修正したものが、2010年4月に三省堂から論文集として刊行された。また、その後の研究成果についても、2010年5月以降、研究成果報告書として刊行される予定である。 また海洋法については、5月にアラスカで開催された「北極海の気候変動と海洋法」というシンポジウムに参加し、その際に知見を生かし、東京大学公共政策大学院海洋政策教育・研究ユニットが主催した公開セミナー「北極海のガヴァナンス:多様なステークホルダーと課題設定の諸相」において、「北極をめぐる国際法的課題」について報告を行なった。この際の報告は、後日、公刊される予定になっている。この報告を機縁として、本年度より独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の主催する「海洋科学調査をめぐる法的諸問題」に参加することになった。
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