2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ住宅手当制度の分析と日本における家賃補助の可能性に関する研究
Project/Area Number |
20730041
|
Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
嶋田 佳広 札幌学院大学, 法学部, 准教授 (40405634)
|
Keywords | 住宅手当 / 住宅扶助 / 生活保護 / 住宅政策 / ドイツ |
Research Abstract |
(1)最新のドイツ住宅手当法を完訳した。あわせて、おおむね2000年代以降の法改正をすべて跡付け、2009年の大幅改正がこれを基本的に継承していることが確認できた。解説を附したうえで早期の公表に努力したい。その他、各種一次資料の渉猟に努めた。ただし、この間のドイツの関連書籍の出版動向は相変わらず低迷気味で、当地でも関心が薄れてきているのではないかとの印象も抱いている(住宅手当QAのような書籍は散見されるが、法的問題になりにくいのか、コンメンタール類がドイツにしては充実していない)。また、政府の財政再建路線で、一時拡充の方向にあった給付水準がまたも引き下げられつつあることも指摘の必要があろう(住宅手当に付加するかたちで給付していた暖房手当も廃止された)。とはいえ、逆に日本では家賃補助の必要性が少しずつ指摘されるようになってきており、ドイツの到達点をできるだけポイントを絞って今後紹介していきたい。 (2)研究の多様化・相対化を図る目的もあり、ドイツの隣国であるオランダの住宅手当制度についても、簡単な解説本に目を通しはじめた。隣あっているとはいえ、オランダの制度はドイツから見てもユニバーサルかつ精緻な仕組みのようである。他方、日本でも、生活保護における住宅扶助と基本的に同水準を給付する「住宅手当」が開始され、一定の支給実績が報告されている。ただし、同給付の位置づけはなおも曖昧なところが多く、その限りで、基礎研究を兼ねて、若干の検討を論文で試みた。なおも検討を進めたい。
|
Research Products
(1 results)