2009 Fiscal Year Annual Research Report
食品・農産物の品質確保と公的介入に関する比較法的研究
Project/Area Number |
20730042
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
蛯原 健介 Meiji Gakuin University, 法学部, 准教授 (00328973)
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Keywords | ワイン / 農産物 / EU / 地理的表示 / 消費者保護 / 品質確保 / 公的介入 |
Research Abstract |
平成21年度は、フランスの原産地呼称制度の特徴と最近の動向を明らかにし、『フランスAOCワイン事典』(三省堂)を刊行したほか、山本博弁護士らとの共著で出版した『世界のワイン法』(日本評論社)では、EUによるワイン市場への公的介入の仕組みや地理的表示保護制度の概要を解明するとともに、EU加盟国、とくにイタリア、スペイン、ドイツ、オーストリアの制度についても分析を試みた。また、大村真樹子准教授(本学経済学部)の研究協力を得て、経済学的観点から地理的表示保護制度が市場に与える影響について考察を行い、共著「欧州共同体におけるワイン産業の持続可能性と共通市場制度改革」(明治学院大学法学研究87号)やOIV(国際ブドウ・ワイン機構)世界大会における共同報告「日本のワイン消費に対する地理的表示のインパクト」などの研究成果を発表した。日本ワインのEU向け輸出が本格化しつつある中で、諸外国では日本のワイン法や地理的表示保護制度に対する関心が高まっているが、日本の制度の現状と問題点について解説した仏語論文「L'impact des indications geographiques d'origine sur la consommation de vin au Japon」(Le Bulletin de l'OIV)および[Que font-ils ailleurs?:Evolution des regles sur l'etiquetage des vins au Japon」(Revue des Oenologues)は、著名な海外のジャーナルに掲載されたこともあり、貴重な研究成果として諸外国の研究者や実務家から大きな反響があった。さらに、『明治学院大学法学研究』に掲載されたその他の研究成果「理事会規則479/2008号におけるEU産ワインの表示に関する規制」、「欧州共同体におけるワインラベル表示規制の改革について-欧州委員会規則607/2009の概要とその意義」や『法律時報』に掲載された「激変する世界のワイン市場とワイン法の課題」では、EU法に適合するワイン醸造・ラベル表示の必要性を強調し、国内の実務家や業界関係者に影響を与えており、その社会的意義は大きいものと考えられる。
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Research Products
(10 results)