2011 Fiscal Year Annual Research Report
性犯罪者の再犯防止対策の現状と課題―包摂型対策と排除型対策の比較と検討を通じて
Project/Area Number |
20730049
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
平山 真理 白鴎大学, 准教授 (20406234)
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Keywords | 性犯罪者対策 / メーガン法 / 社会包摂 / 修復的司法 / 支援と責任のサークル / サラ法 |
Research Abstract |
本研究ではまず、わが国の性犯罪者対策の今後の展望について、諸外国の性犯罪者対策を調査し検討することで、そこで得られる知見をもとに考察することを目的とした。海外調査については、本年度はカナダ連邦矯正局との協力のもと行われている、ヴォランティア・グループによる「性犯罪前歴者の友だち活動(Circle of Support and Accountability)以下CoSA」の調査をカナダのB.C.州において行った。そこではCoSAが出所後の性犯罪者に対するサポートや地域社会への説明責任をどのように果たしているかを中心に検討を行った。また、わが国の制度については、2007年6月より施行されている、「刑事施設及び被収容者処遇法」のもとで実施されている「性犯罪防止指導」については、そのプログラムの運営方法や効果についても専門家から専門的知識の提供を受けるかたちで考察した。また本研究では、性犯罪対策を考えるうえで重要な被害者の視点にも焦点を当てて研究を行った。このうち、海外の取組においては、カナダB.C.州の公安・法務省内被害者支援サービスおよび犯罪抑止局(Victim Service and Crime Prevention Division, Ministry of Public Safety and Solicitor General)、ヴァンクーヴァー市警察における取組、また同市内における民間の性犯罪被害者支援団体二か所を調査した。一方、わが国の性犯罪被害者支援については、性犯罪被害者1名をインタビューし、司法制度におけるニーズについて検討した。 これらの研究成果は、2011年度において国際学会4件、また学術論文3本(印刷中のため下記には記載せず)として発表することができた。
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