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2008 Fiscal Year Annual Research Report

権利客体としての「財産」:フランスにおける権利客体論の検討を契機として

Research Project

Project/Area Number 20730071
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

原 恵美  Kyushu University, 大学院・法学研究院, 准教授 (60452801)

Keywords信託 / 財産管理 / 財産隔離 / フランス民法典 / 権利客体論
Research Abstract

本研究は、人に帰属する物、権利、債務の集合として観念される「財産」の総体、すなわち「資産」を私法の統一的概念として抽出し、このことを通じて、「人」と「財産」の関係の解明、および、権利客体である「財産」に関する基礎理論の析出を目指している。特に、物の所有と価値の帰属が分断される法現象(典型的には信託)を包括的に解明するために、フランスの資産(patrimoine)論を検討対象として、財産からみた法律関係を検証するものである。この目的を達するために、初年度の今年度は次の作業を行った。すなわち、(1) 2007年に制定されたフランス信託法(フランス民法典2011条以下)の解明に着手し、信託に関する国民議会・元老院の報告書の分析、雑誌記事論文等の文献を収集し、研究した。さらには、信託の利用状況の調査を行った。なお、2008年8月4日法律2008-776号および2009年1月30日オルドナンス2009-112号による信託法の改正についても調査した。(2) フランスの信託は、信託が「契約」でありかつ信託財産の構造を目的充当資産(patrimoine daffectation)としてとらえる点に特徴がある。そこで、基礎理論の研究として、目的充当資産の構造の分析を行った。我が国と比べて、フランスは信託法成立に至るまでに膨大な時間を費やしたが、それは、フランスにおいて、信託の私法体系への受容について慎重すぎるほどの批判的討論を尽くしているからであった。その検証の一環として、20世紀前半にドイツ法の影響をうけて主張された、古典的資産論へのアンチテーゼとしての目的充当資産論と信託の関係について検証を行った。さらに、信託の制定によって資産論がいかなる影響を受けたのか、特に、目的充当資産の承認は、今なお支配的であるといわれる古典的資産論へいかなる影響を与えたのかについて考察した。

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Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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